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腹部エコーの胆嚢・胆管解剖は?場所や役割を確認してエコー描出に役立てよう!

検査

腹部エコーをやっていく中でつまずくことが多い解剖。
この解剖的な場所がわかることで、エコーの描出に役立ち、役割を知ることで、病態を理解することに役立ちます。
そのため解剖は検査をする上で重要な知識であると思っています。

この記事では腹部エコーの中でも『胆嚢・胆嚢管』にスポットを当ててまとめていきます。

胆嚢・胆嚢管の大きさやそれぞれの名称、体のどこにあるか、役割を提示し、エコー検査に役立つ基礎的な知識を学びましょう。

胆嚢の解剖

各部名称は?

まずは胆嚢の名称と形、サイズなどを図と表で示します。

胆 嚢 管 底 部 ハ ル ト マ ン 嚢 ( 漏 斗 部 )

形状 洋ナシ形or長茄子型
大きさ 長径60~80mm 短径25~35mm 容量30~50ml
腫大基準 80×40mm以上(日本消化器がん検診学会では短径35mm以上)
区分 頸部(Gf)・体部(Gb)・底部(Gn)(胆嚢末端から胆嚢管移行部までの長軸を直角に三等分し胆嚢管に連続する上部1/3を頸部、中央を体部、胆嚢管から最も遠位部1/3を底部という)
頸部に膨らみ(漏斗状)がありハルトマン嚢が形成される。結石が嵌頓することがある。
胆嚢管(C) 胆嚢管の内部はらせん状襞になっている。これをHeister(ハイステル)弁という。これによって胆汁の流れがスムーズになる。

もしかするとハルトマン嚢やハイステル弁という名称に関しては聞きなれない方もいるかもしれません。
特にハイステル弁に関しては所見として書くものでもないです。
くねくねした胆嚢管の中には小腸と同じように襞があり胆汁の流れを良くしています。

胆嚢・胆管はどのへん?

続いて胆嚢は体のどの辺りにあるのかを示します。

胆嚢は肝右葉下面の胆嚢窩にあり、Cantlie線(下大静脈と胆嚢窩を結ぶ仮想の線)に沿ってあります。内側は十二指腸球部、外側は肝後下区域に接します。
また必ず胆嚢床から発生します。そのためエコーでもこの胆嚢床(高エコー域)を目印にすると良いです。

図では見やすいように書いていますが、実際は、正面からみると胆嚢は肝臓の背面に隠れるようにあり、底部が肝の辺縁をわずかに超えちらりとみえます。

胆嚢壁の解剖

 

胆嚢壁は内腔側より粘膜層M、固有筋層MP、漿膜下層SS、漿膜Sの順で形成されます。
上記の図は右が長軸、左が短軸です。

消化管臓器にある粘膜筋板と粘膜下層が欠如しています。(ちなみに胆嚢床は漿膜が欠如しています。)
このため腫瘍ができた場合、炎症の波及や周囲への浸潤、リンパ節転移などが起こりやすいです。

壁のエコー像

胆嚢壁は高エコーの1層か、内腔より低エコー、高エコーの2層構造で描出されます。
肥厚すると3層構造に描出されることもあります。

2層の構造内容
低エコー層:内腔との境界+粘膜層+固有筋層+粘膜下浅部線維層
高エコー層:漿膜下深部脂肪層+漿膜層+境界エコー
3層の構造内容
高エコー:内腔との境界+粘膜層
低エコー層:固有筋層+漿膜下浅部線維層
高エコー層:漿膜下深部脂肪層+漿膜層+境界エコー

胆嚢管の位置と走行のいろいろ

胆嚢頚部と総胆管をつなぐ管を胆嚢管といいます。また総胆管と胆嚢管の合流部を三管合流部といいます。

胆嚢管の走行にはいくつかのパターンがあります。
上記左から鋭角型、並行型、らせん型になり、左から順に多いです。

三管合流部の合流パターンもさまざまある。低い位置での合流の場合は消化管ガスの影響が大きいです。副胆管とよばれるものや胆嚢肝管も存在する場合があります。

胆嚢と胆汁の役割

胆嚢の役割

胆嚢は肝臓から作られた胆汁を貯めるところです。胆汁に含まれる塩分や水分を胆嚢壁で吸収し、胆汁が濃縮されます。
食事などで刺激で胆嚢が収縮すると肝外胆管より十二指腸に胆汁を排出します。

胆汁の成分

胆汁は、胆汁酸、リン脂質、コレステロール、胆汁色素(ビリルビン)、レシチンなどで構成されます。
そして肝から十二指腸に排出される過程で胆汁は区分されます。

名称 特徴
肝胆汁 肝で生成されたもの 澄んだ黄金色
胆嚢胆汁 胆嚢内で濃縮したもの 緑がかった茶褐色
胆管胆汁 総胆管内に存在するもの 淡い褐色

胆汁の流れ

肝臓から1日500~1500ml分泌されます。
肝内胆管、総肝管、総胆管を通ります
Oddi括約筋の収縮による胆管内圧の上昇によって胆嚢へいきます。

胆嚢に溜まった胆汁は、1時間当たり20%程度吸収されます。(胆汁酸、コレステロール、ビリルビンは吸収されません)

胆嚢内では1日20ml程度の粘液が分泌されます。

十二指腸に食物が入るとコレシストキニンと呼ばれる消化管ホルモンが分泌され、この作用によりOddiの括約筋が弛緩し胆汁がファーター乳頭から十二指腸に排出します。

十二指腸へ排出されると、その大部分は小腸で吸収されます。吸収された胆汁酸は門脈を経て肝臓に戻り、肝細胞に取り込まれ、再び胆汁の中へ放出されます。

この循環を腸肝循環といいます。

胆管の解剖

各部名称は?

各部の名称は図の通りです。
ちなみに肝門部胆管は約10mm、総肝管は約30mm、総胆管は約60mmです。
これを合わせて肝外胆管であり約100mmです。
正常径は総肝管で内径5~6mm、総胆管で内径6~8mmです。

胆道癌取り扱い規約による区分は上記の図である肝門部領域胆管(Bp)、遠位端管(Bd)にわかれます。
肝門部領域胆管は左右肝管合流部下縁から胆嚢管合流部です。
遠位端管は肝門部領域胆管の下縁より十二指腸壁に貫入するまでです。

胆管の位置はどのへん?

簡単にいうと肝臓と胆嚢、十二指腸をつなぐ管です。
胆管は肝細胞の毛細胆管に始まり、集合し、左右の肝葉から1管ずつ出て肝門部で総肝管になります。
総肝管は胆嚢管と三環合流部にて合流し総胆管となり、十二指腸で開口します。
エコーでは肝内胆管の第3~4次分枝からを胆管として認識しています。

胆管・肝動脈・門脈の役割

門脈が左右の門脈に分枝する部位で左右の肝管が合流して総肝管となります。
総肝管は門脈本幹の右腹側を並走します。総胆管は徐々に外側及び背側に向かって門脈本幹から離れます。膵内に入った胆管はさらに外側に向かい逆くの字のように走行します。
右肝動脈は門脈と総肝管の間を交差するように走行します。

また肝門部において、総肝管、胆嚢管、肝下面によって作られる三角形をCalot三角と呼びます。
胆嚢摘出術時に注意が必要なポイントとなります。

胆管、肝動脈、門脈の役割は以下の通りです。

名称 役割
胆管 肝細胞から分泌される胆汁を肝外へ輸送します
肝動脈 血液を肝に取り込みます
門脈 消化管で吸収された栄養を肝へ運びます。

まとめ

さて胆嚢・胆管についてその臓器の位置関係や名称、役割についてまとめていきました。
解剖や場所がわかるとエコー検査をやる際にプローブをどこに当てれば良いかわかるようになります。
拡張していたらそれより中枢側が何らかの原因で詰まっているということになります。
胆汁の流れがわかることで胆管拡張がみられた場合などの原因となる場所の予測ができます。
エコー検査で胆管の拡張をみつけたら、原因を探ることも重要です。

エコー検査を有意義なものにしていくためにしっかりとマスターしていきましょう。

 

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